…違う。
裕也の事なんか考えてないよ…。
今、私の頭の中にいる人は…
悠真くんだよ…。
でも、そんな瞳で見られたら、言えない。
私は、恥ずかしくて自分の足元を見るように附くと、
私の足の前に、黒いロォーファーが見えた。
悠真くんだ。
そして、悠真くんの手が私の髪を耳にかける。
そして、口を近づけ、
「…雅…昨日はゴメン…」
耳元で囁かれた、その言葉。
しかし、その声は微かに震えていた。
私は、悠真くんの異変に気づき、顔をあげる。
すると、私の目の前で唇を歯で思いっきり噛んでいる悠真くん。
その唇からは、今にも血が出そうな程だった。
何が苦しいの?
何が悲しいの?
何が悔しいの?
悠真くんの気持ちは何も分からない。
でも…
放っておけないんだ。

