「もう会えなくなるわけじゃないんだから。」

美奈は私の頭をポンポンと優しく叩いた。

私なんかより美奈のほうがずっと不安なはずなのに…



「また困ったことがあったらメールして。いつでもいいから。」

美奈は手を振ると、
階段を上り始める。

上の階はタレント専用のスタジオで、普通の生徒が入ることは許されない。



「美奈、頑張って!私、ずっと応援してるから!!」

美奈が遠くに行ってしまいそうな気がして、大声で言った。



美奈はいつもと変わらない笑顔でうなづくと、まっすぐ階段を上っていく。



美奈には
有名なアーティストになってほしい。

でも、
それ以上に
今のままの美奈でいてほしい。



美奈…

私達、
ずっと友達だよね。