Reality~切ない恋の唄~

「お前も困ったやつだな。」

海へと視線を移して、話し始める先生。



「誰だって、一度はこういう時期がくる。
歌が好きだったやつでも、いろんなことがあって…もう辞めたいって言い出すこともあるしな。」



『歌手になること』は、ずっと私の夢だった。

夢を手にした代わりに、失ったものも大きい。



今までだったら、当たり前にできたこと…

友達とショッピングに行ったり、好きな人と手をつないで歩いたり…

普通の人なら誰でもできることが、今の私にはできない。



この仕事を辞めてしまいたいと思いたくないけど…

ずっと憧れていた職業は、こんなものだったんだろうか。