「そうそう、MADOKAちゃん。
そのまま自由に歩いてみて。」
私は言われたように、スタジオの中を歩いて置いてあった道具を持ってみたりした。
私が動くたびにカメラのフラッシュが光る。
「はーい、MADOKAちゃん、もう良いよー。」
それからどれくらいの時間がたっただろうか、声がかけられ私の肩に重いコートがかけられた。
「はい、MADOKAちゃんお疲れ様。
今日は帰って良いよ。」
「ありがとうございました。
お疲れ様です。」
私の隣に立った母さんが、一人の男に頭を下げていた。
「…おつかれ…さまでした…?」
私は訳も分からず、母さんの真似をして頭を下げた。