カシャッ。
　カシャカシャッ。
　何度も響き渡る機械音と光輝くフラッシュの前で私は大人っぽい服を着てﾎﾟｰｽﾞを決めていく。

　「MADOKAー、目線こっち！」
　その声を聞き私は目線を前に移す。

　「はいっオッケー！10分休憩入りまぁーす。」
　休憩が入ると同時にマネージャーがタオルを持ってきて、メイク担当がメイクを直す。
　それを見ていたスタッフがこっそりと話していた。
　「あのさMADOKAちゃんてさ、確か12歳だよな…？」
　「あ…？ああ、確かに12だよ。」
　「あの色っぽさ12歳に見えねぇよ！」
　「確かにそうだよな。
12にしては170の長身、そしてｽﾀｲﾙの良さと整った顔立ち。
どうしても12歳に見えないな。」
　「12歳なら、この前までランドセル背負ってたってことだぜ？
あの長身からは信じられねぇよ！」
　思わず熱く語るスタッフ。
　(そんなに大きな声で言うと聞こえるが…。)
　顔を拭いた後メイクの直しが終わった。
　その姿を周りのスタッフが黙って見ている。
　「凄いよな…、若干12でティーン誌の表紙を飾る子なかなかいないぜ…。」