窓際最後列…のまえ。
私の天国。
寝てても教師にはバレないし、日当たりもいい。
ひとつだけ不満があるとしたら、もうひとつ後ろがよかった。
最後列なら今よりも快適な時間が過ごせる。
それはもう去年経験済みで知っていて、なんとなくうしろの席のやつがうらやましい。

宮増 圭。みやまし、けい。
いつも本読んでてなんとなく絡みづらいやつで、苦手っちゃ苦手。
にも関わらず学校中のアイドル、三崎終と仲がいい。
よく見ると整った顔立ちをしていて女子にも人気がある。
頭がいい。運動神経もいい。よく考えてみればオールマイティーなやつかもしれない。

「いっちゃーん?」

友達に声を掛けられて我に返る。
どうやら頭の中が宮増のことでいっぱいになってしまっていたらしい。
…なんとなく響き的に宮増に恋してるみたいでちょっと不服。

「なんでしょー、あいちゃん」