あれは友也がバランス崩しただけ。
悪気は何もなかったのに……。
…グスッ…。
頬に涙が流れる。
私は自分の力の無さにホント後悔した。
でも、友也をケガさせるわけにはいかなかった。
どうして……。

教室に戻るとみんなが私の顔を見て驚いている。
席につくと、
「優美亜…どうしたんだよ…」
まっ先に友也が心配してくれた。
でも、今は何も言えない……。
言葉が見つかんない…。
唯一見つかったのはこれだけ。
「…ごめん」
そのあとは一切口を聞いてない。
…私のバカ……。

部活でクラスは違うけど仲良しの愛伊と語り合った。
もちろん…
友也のコト。
那桜のコト。
「そう…突然だからビックリね…。」
私は半泣きだった。
これはね…嬉し涙と悲し涙だと思うの。
友也とキスできたコト…
那桜とケンカしちゃったコト…
「…もう、頬が腫れてる理由、分かるね…?」
私は愛伊に聞いてみた。
すると、愛伊は首を縦にブンブンと勢いよく振った。
「あ…りが…と……」
私は泣き声になってしまった。
「辛かったよね…でもこのままじゃダメ。ちゃんと友也くんと話して。今日も一緒に帰るんでしょ?」

あっ。忘れてた…。
一緒に帰るコト……。