三になる頃。

人の形をした鬼に俺は剣を持たされた。

十になる頃。

鬼に殺されかける。

しかし、一命を取りとめた。

十五になる頃。

俺は鬼を殺した。

自身の剣術によって、鬼は死んだ。

その後、俺は親戚に引き取られ、剣の道を捨てざるをえなかった。

剣の代わりに学業の全うする事になった。

それまでも、鬼に基礎知識は学んではいたが、圧倒的に不足していた。

剣を握る暇すらなかった。

平和の日々だ。

それが幸せなのかどうなのかは、今となってはわからない。

ただ、それをやっているから、人生を損したという事はまったくないのだ。

人との意思疎通がよくできるようになったのは、勉学があったからだ。

そして、こうして生きているのは剣術があるからだ。

鬼の存在は今も夢に出てくる。

そして、自分に恐怖を植え付ける。

だが、恐怖があるから、俺は生きていられる。

自分の意志を強くもっていられる。