獅子の生きる道

「じゃあな」

「魔王退治か」

俺はさっき着たばかりだ。

しかし、誰も魔王退治などという事は言ってないんだがな。

「魔界に広がる情報は早い。それが人間だというのならな」

人骨は再び剣の生成に戻る。

「一つだけ言っておく。自分の思っている以上に正しい事はいくらでもある」

「そうかい」

マカ・アムルを手にし、鍛冶屋から出ていく。

情報は大体分かった。

「山は後回しでいい」

俺はジョヴァンニの城があるだろう道を選ぶ。

平坦な道が続く。

そして、たどり着いた場所は、中世の城の前。

幾年もの月日が経過した事を思わせるほどに城がぼろくなっているようだ。

城の前には妖気なるものが取り巻いている。

どうやら、濃厚に見えるのはジョヴァンニとやらが発してるせいかもしれない。

城外に敵がいないのは城内に敵を置いているというところか。

躊躇いなど一つもない。

城の中へ足を踏み入れようとしたところで、光をともした蝶が羽ばたいている。

「お兄さんお兄さん、冒険につき物の道具はいらないかい?」

どうやら、道具屋のようである。

回復剤やらをあるぶんだけ購入しておく。

「お兄さんは噂の人だね」

「ここにも情報が出回ってるのか」

だとすれば、ジョヴァンニとやらにも情報が伝わっていると踏んだほうがいいだろう。

「ジョヴァンニ様は結構強いよ」

「聞き飽きた」

俺は蝶と会話する気はなく、城の中へと足を踏み入れた。