獅子の生きる道

「魔剣とだけは聞いた。それ以外に情報はねえ」

「魔剣、か。間違いではない」

作業を中断させ、体もこちらに向ける。

「それは複製する事の出来ない唯一の魔剣だ」

「高価な物か」

どうやら、俺は金で換算してしまう癖があるらしい。

「値段など付けようもない物だ。それ以前に、買い取り手なんぞ付かんよ」

「そうかい。それで、何の曰くがある?」

「その魔剣は名を『マカ・アムル』。以前は魔族だった物の末路がそれだ」

「ほう、こいつが魔族ねえ」

「ここ数百年生きた俺も、伝承でしか聞いた事がない。だが、目の前にあるというのなら、その伝承は本物である事は間違いない」

伝承というのは、噂に近い代物だ。

それは嘘である可能性も否定は出来ない。

先祖代々話しが伝わってきたとしても、本物を見た人物が死んでしまえば、証明する術がないのだからな。

先祖は嘘をついていない、と吼えたところで証明出来る物がなければ、そいつはホラ吹きに成り下がるだけの話だ。

鍛冶屋は伝承を本物だという。

この剣の情報は本や魔族の口から伝えられてきた物なのだ。

だが、本に書いてあるからなんだ?

魔族が口を揃えて言っているからなんだ?

俺は俺が見たことのない物は、真実ではないと思っている。

ただ、警戒心は強くなるくらいだ。

「マカ・アムルは永遠に生きるために自身を剣として、宿主を探し続けている。そう、今それを持つ宿主がいなかったのは体を乗っ取られるといわれるからだ」

「そうかい」

いつまでも自分を残す手段が剣になるか。

「乗っ取られた気はしないが?」

「すぐに傾向を現れない。魔族の血を多く吸う事によりマカ・アムルは活性化するといわれている」