【短】尽忠男

「なぁ志維?お願いだから俺のこと好きになって?」


「ばっ…!こんなとこで何言ってんの!?」


だーかーら、俺には場所とか関係ないの。

志維が好きで…志維が欲しくて堪らない。


「俺のこと、少しは考えてくれてる?俺だけがドキドキしてるの嫌なんだけど」


志維にもドキドキして欲しい。

俺と同じぐらいには無理だろうけど、ほんの少しでいいから…。


「し、知らない!早くレポートしなよっ」


うーん…どうしても相手にしてもらえないか。


ま、いっか。

少しずつ距離を縮めていければ。


「ちぇーっ!じゃあレポートするか。あ、志維はルーズリーフにでも下書きしてなよ」


「えっ、何で?時間もっとかかるじゃん」


「志維が下書きしたやつ、俺が打ち込んでやるよ。放っといたら今日中に終わらなさそうだし」


ニッて少ーしだけ嫌味っぽく言ってみた。

ちょっとした仕返し!…のつもり。