じっと見ていた私に、東條は不思議そうに尋ねる。 「誰?お前」 「山田花子ですけど。今日、転校してきた」 「ふーん。これ、俺使わねぇから貸してやる」 ドサッと投げられたのは、教科書。 意外と優しいんだ。 私、教科書まだもらってないから。