だから私は殻をキツく身に纏い



無になる事を覚えて生きてきた。



そうしないと私が消えてしまうような



そんな漠然とした不安に苛まれたから。



わたし山科晃(やましなあき)。 15歳。



有名中高一貫進学校に通う中学3年生。



毎朝の修行と化した満員電車での通学。



加齢臭のするおっさんや香水をふりまく



おばさんの波に揉まれ、痴漢野郎と闘い



今日も片道1時間の通学距離をただ通う。