—母さんが入院して何ヶ月かたった。 季節は変わり葉も色づき始めた。 …母さんも変わってしまった。 柔らかかった手は痩せて細くなり 黒くて綺麗だった髪も艶が無くなった。 ある日俺は母さんに聞いてみた。 「あいつの何処が良いわけ?」 母さんはキョトンとした顔をした。 「あいつ…?あぁ、父さん?」 母さんは、「ふふふ。」と笑って 俺の手を握ってこう言った。