正義の会社は土日休み。
しかし月に一度だけ、四人体制で日曜出勤しなくてはならない。



その月の第二日曜日は、正義、拓也、親父の平松、それに美紀子が当番だった。


黙々と四人は仕事をしていたが、ディスク配置の関係上、グループ的に正義と美紀子。 拓也と平松という構図になる。
それが正義にとっていい気味であり、とても喜ばしいことだった。



「なんか、日曜日の職場ってワクワクしない?」

正義はニヤニヤしながら美紀子にちょっかいをだした。
しかし美紀子はそれがウザくてたまらない。


「そお?」


「なんか、小学生の冒険っていうかさぁ。 日曜の校舎に忍び込んだこととかないのぉ?」


「ないけど・・・」


「え? マジでー? 俺は何回もあるよ。 やっぱり、そういうことは女の子ってやらないのかぁ~」


「いや、別にする必要もないし」


「アハハ、そうだよね~」


美紀子はなんか冷たいなぁ。 と思いながらも、事務所内に四人いて、喋っているのが自分達だけということに喜びを感じていた。