「おはようございます!」



さえが元気よく出勤してきた。 お土産の大きな袋をぶらさげながら。



「これ、お土産です。 コーヒーのところに置いておくから、勝手に食べてください!」


「おー、ありがとう。 春海ちゃんなんて手渡しでくれたよ」



とみんな笑っていた。 そのとき正義はピンときた。



(・・・そうか。 そうだよな。 手渡しなんて、そんな面倒な事するってことは、なにか訳があるからだよな・・・)



「はっ」と正義はパソコンのキーボードから手を離した。



(オレに、渡すため・・・)



「さえちゃんおはよう。 アハハハ。 置いておけばいいとか、思いつかなかったよ」←もう正義には聞こえていない。


「もぉ、春ちゃんはおもしろいなぁ~」



あははははは。