「あー! 疲れたー!!」



さえは荷物を床に落とすと、即座にベッドに仰向けになった。 春海も真似して寝転ぶ。



「明日楽しみだね。 シカも見に行こうよ」


「うん。 シカ煎餅もあげたいな」


「ねー」



さえは携帯電話を見た。 すでに夜の11時を過ぎている。



「あ、春ちゃん先に風呂はいってきていいよ」


「え? いいの?」


「うん。 英くんからメールが入ってた」



英とさえはクリスマスの時から付き合いはじめた。 さえが正月を一緒に過ごした相手も英だ。 それを知っているのはまだ春海だけ。



「いいな~。 私も彼氏ほしいなぁ」



ウラヤマしいと、春海は言う。 そのときさえは思った。



(春海ちゃんも彼氏ほしいとか思うんだ・・・)



やはり春海も女なんだと。