正義は書類をファイリングしようと席を立った。 そして“ついで”に2人の間から顔を覗かせる。



「ん? 何見てるの~?」



ココで頑張らなければならないと思ったけなげな男。 勇気をだして声をかけたのだ。



「ファッションし」



とさえは笑顔で言った。



「ふ~ん。 俺はあまり服とかはよくわかんないからなぁ~。 従弟が英くんと同い年なんだけど、それがガキみたいにハデな奴でさぁ~。 バンド組んでてー、いくつだよって感じぃ~?」



従弟の大樹をけなしているわりには、本当は派手な大樹が少し自慢で、自分にもこんな知り合いがいるんだぞっと、言わんばかりの口調でいう正義。



「はぁ・・・。 どんな系統なんですか?」


「え~とね・・・。 え~、なんだっけ?」



にやついたまま、正義は顔をひょいっと天井に向けた。


そして「あ!」と高い声をだし、



「カジュアル系!」


「え??」



さえと英は顔を見合わせた。 そして変にニヤついてしまった。



「カジュアル系?」


「そうそう」



そしてまた2人して得意げな顔した正義を見上げた。