あ~、また暴走してるよ。 なんてみんな思っている中、祖母が部屋を出て行った。 そして階段の前で立ち止まり、二階を見上げ、大声で一緒に暮らしている孫の友則を呼んだ。



「友則! 何やっとるや? はよ出てこんかい! 昼飯あらへんぞ!」



祖母はそれだけ言うと、部屋に戻ってきた。 



「ホレ、寿司そっち持ってくで!」



祖母は小さい体でせわしく動く。 大きな寿司の入ったタッパを運んでくる。 正義はそれを見て・・・。



(また寿司か・・・)←超わがまま



すると2階からドアを閉める音と、ドタドタとゆっくり階段を下りてくる足音が聞こえてきた。 そして。



ガチャ



正義はちらっとそっちを見た。 ドアを開けて入ってきたのは友則で、うつむきながらみんなのいる和式に足底を引きずって入ってくる。



正義データー・・》》友則 》》正義がお手本にしたくない、№1な男。



★☆★

いかにも幸無さそう。 というか、一緒にいたら、こっちまで不幸せになりそうだ。 横の毛があちこちに垂れ流れ、首周りがヨレヨレのトレーナーを着用し、なんか異様に汚らしい。 (意外と女には積極てきらしいが)




だらんと壁にもたれがかって足を伸ばす友則。 正義は見てしまった。



黒ずんだ白い靴下。 おや指の先が丸見えなほど穴開き靴下。 さすがの正義もひいた。



(絶対、あんな風にはなりたくない!!!!!)



あの二の舞にはなりたくなくて、正義は必死になっているのだ。