「じゃーね」


ボウリング場を出た後、もう解散する事になった。


そこで美紀子とあかねは言う。



「泊まる所なんていくらでもあるじゃない」



クスクスと笑いながら、2人はそれぞれタクシーに乗り込んでいった。



「ん? ど~いうことぉ?」



なぜか正義が答える。 にやにや笑顔で、正義もタクシーに乗り込んだ。





「お客さん、なんか楽しそうですね」



帰りのタクシーでも、運転手のおじさんに話し掛けられた正義。 無表情を作っていたけど、思い出すと勝手に顔がほころんでいたらしい。



「いやぁ~。 青春ですよ、青春」


「そうですかー。 若い方はいいね」


(若い方かぁ・・・)



そして正義は深くシートにもたれかかった。



「若いうちに、遊んでおかなくっちゃね」






その夜、正義はなかなか眠る事なんてできなかった。



(あ~。 久々に楽しかったなぁ・・・)



心がうきうきとして、なんだかとても笑えてくる。