イヤな予感がした。

胸が妙に高ぶって、アタシはなかなか眠れなかった。
｢もしかしたら駄目かも｣
そう思った。

眠れないまま朝を迎えた。
外はすごく良い天気で暑かった。
アタシはすごく冷たくて震えていた。

ただベッドの上で横になっていた。

そして、早朝なのに電話が鳴った。

アタシはその電話が何なのか分かっていた。

｢…はい｣恐くて震えた

｢お父さんだけど…お母さんが亡くなった｣もう目の前が真っ暗になった

少しは覚悟していたけれど、立っていられないくらい悲しさというか不安な気持ちが押し寄せてきて、これは夢だと思うしかなかった。

涙は出なかった…

｢ねぇ！起きて！お母さんが死んじゃった…｣アタシは三つ離れた弟を連れて病院に向かった。

弟は9歳

アタシは12歳

これからどうしようという不安な気持ちを抱えながら弟の手を引いて歩いた。

真っ暗だった。一筋の光さえもなかった。