私、高校生のときこんな自分に素直にだったっけ? …違うな。 学校やヒカリちゃんには彼氏や自分の素性は隠さなきゃいけなかったし、黒楼では総長の女として振る舞わなきゃいけなかった。 素ではあった。 ただ、本音は言わなかった。 いつも言葉を選んでいた。だって失言の許される立場でも状況でもなかった。 駅に着いた。 カズタカ君は私と一緒に改札をくぐった。 そして、私の手をひいて歩く。 立ち止まったのは…雨の日、私がカズタカ君の胸で号泣していたあの場所。