カズ君は、今日はうちに泊まるというからふたりで車を降りた。 「ありがとう、ミドリ君。気をつけて。」 「おう。またな。シズクとシロも。」 「はい。また。」 窓を閉めると、ミドリ君にしてはゆっくりめのスピードで走り去った。 「あれ、大丈夫?」 「…ゆっくりよ、あれ。」 「え。」 カズ君のひきつった顔がなんとも言えなくて笑えた。