*Rainy*


連れてこられたのは駅前のカフェ。

レトロにまとめられた店内は人がいない。っていうか…大晦日だし、開いてないのでは?



「カズ君?」

「ちょっと待ってて。」



カズ君は手を離すと、店の奥へと消えていった。……暖房のついていない店内はひんやりしている。



「うわ!まじ美人!」



声のほうに目を向けると、少なくとも私より若いだろう男の子。



「!?」

「これ、高校の先輩。シズクに会わせろってうるさくて。そのわりに忙しいとか言うから。」

「お前、生意気。偉大なる先輩に向かってこれとか言うな。」

「すいませんしたっ!」