けど、反らないようにがんばる。
「私、カズタカ君にちょっと劣等感持っていたの。
高校は楽しかったけど…じゃあ普通かって聞かれたら否。族の総長の女だったし、学校じゃいい子ぶらなきゃいけなかった。
だから、純粋に部活して、学校生活をまっとうするカズタカ君に私は合わない~とか考えてた。
しかも私は年上で、こんなオバサンがカズタカ君の彼女とか言っちゃっていいのかなって…。」
……カズタカ君はじっと聞いてくれる。
私はまた息を吸って話しだす。
「けど、カズタカ君にそれを言うのは間違ってるような気がしたし、うざいとか思われるの嫌でひとりで葛藤の繰り返し…。」
ふいに、カズタカ君に右手をとられた。
ぎゅっと握られた右手。
「…ミドリ君やタイガ、あとヨシタカにも怒られちゃった。
話さなきゃわからないって。」


