私はただ、目の前の会話を第三者として眺めていた。
すぐ目の前なのに…ずっと遠くにあるみたい。
「あっ…、カズタカの彼女さんごめんなさい!話し込んじゃって…」
「…ぇっあ、いいよ。」
「ばいばい、カズタカ!また明日学校でね~!」
「はいはい。」
あ、行っちゃった…。
かわいい感じのエリナちゃん。
きらっきらの女子高生。
肌のハリが違うし……とほほ。
「すいません、シズクさん。」
「なにが?かわいい娘だね、あのこ。」
「いっつも煩いんすよ、アイツ。」
いつも…か。
彼女の私はたまにしか会えないけど、あのこは毎日カズタカ君に会えるんだ……女子高生だもんね。
チクリ、胸が痛い。


