『すいません、シズクさん。』



と、電話があったのは10分前。

1時間は待つ覚悟でいたほうが無難かもしれないな。


彼は受験生だし、サッカーもあるし、大変だろうな。私も高校生もっと“らしく”楽しめばよかったかも。

…黒楼も楽しかったけどさ。





どうも私は、カズタカ君を見ていると昔の自分や今の自分と比べて勝手に劣等感を抱く。

無駄だってわかってるのに。



私の高校生はとっくの昔に終わっていて、後悔しても遅いし、黒楼のみんなを悪くはいいたくない。

それに、この年の差はどうあがいても埋まらない。



心の中のもやもやしたものが長いこと渦巻いている。
…会えないことが、それに拍車をかけているようにも思う。