アパートに着いて、タイガは急に私のほうをむいた。 「シズクさん。思ってることは言葉にしたほうがいいし、泣きたいときは泣いたほうがいい。 シズクさんは我慢が得意だから…あんまり無理しないでください。」 それだけ言って、タイガは元来た道を帰っていった。 何カッコつけてんのよ、バカ。 いつだって、私が欲しい言葉をくれるのはタイガだった。 「あったく……。」 私は部屋への階段を上りながら、深いため息をついた。