タイガに手を引かれるがままにしばらく歩いた。 止まったのはなんか中途半端な場所。どこ、とも言いがたい…道の途中。 「タイガ?」 「シズクさん、家どっちですか?もう暗いし送ります。」 なんだろう。この感じ。 タイガはきっとなにか言いたいことがある。たぶん。 けど聞かない。タイガが言わないなら私は聞かない。昔から。 「そこ左。」 「……はい。」 私たちは無言で歩いた。