*Rainy*


カズタカ君を見て、そのまま動けなかった私。


急に肩を叩かれ驚いて振り向いた先にいたのはタイガだった。



「タイガ…。」

「シズクさん?あそこの高校生たちがどうかしました?」

「いや……別に。」



きっと、この時の私、相当目が泳いでいたと思う。



「ちょっとこっち。」



その証拠に、タイガは私の手を乱暴にとるとスタスタ歩きだした。

普段は敬語貫くくせに、こういう時だけはタメ口で男を見せるタイガ。



……ずるい。

それに逆らえない私を知っててやってるんだから。