「・・ん!・・ちゃん!」


・・ん。美里の声がする・・・・・。


「りっちゃん!」


一際大きな声が聞こえて、ハッと目を覚ます。


と、同時に上から何かが落ちてきたので咄嗟に腕で防ぐ。


「チッ起きたのか」


舌打ちをしながら上からこちらを見下ろしているのは担任である、浅川葵(アサカワアオイ)


どうやら、寝ている俺を教科書で叩こうとしたらしい。


「まぁ、いい。とりあえずお前。今から職員室来い。後の奴らはとりあえず自習。1時になったら各自帰っていいぞ」


それだけ言うと、浅川は俺をチラリと見てから歩き出した。


着いてこいってことか・・・。

そう解釈して、俺も立ち上がる。

「だ、大丈夫りっちゃん!?」

不安そうな顔をした美里が俺を見上げている。


「大丈夫」


それだけ言ってから、俺は教室を出た。