電波恋愛

すくっとベットから起き上がり着替えをする。

てきとーに動きやすい服装を選んで机の前に座る。

目指すはパソコンの起動ボタン。

"ポチッ…ウィーン"

心地よい音が鳴りパソコンの熱が風となって私にあたってくる。

パソコンが立ち上がりインターネットを繋ぐ。

慣れた手つきであのチャットルームを開いた。

1ヶ月も経ってないのによくここまで慣れたなぁと自分でも思う。

あの頃分からなかった『w』の意味は『(笑)』の省略なんだって。



カタカタッ――。

リズミカルに文字を打った。

[来たよー]

<おー、姫。ばんわー^^>

姫とはネット上での私のあだ名。

姫衣という名前に『姫』と入っているからとわがままだからと言われた。

[今日は竜一人だけ?]

<俺だけじゃ気に食わないって?ww>

[そんなことないよwww]

こんな普通な話が私にはすごく楽しかった。