あれから一週間以上が経った。

蓮に答えを返さないまま。

気まずい。非常に気まずい!

「あーいりっ」

うおっ!この声は…

「あ、蓮…」

この日私は決心した。

蓮を振る。

「あの…蓮?今日時間あるかな…」

「あぁ…あるけど…返事?」

「うん…」

「分かった。じゃ、とりあえず」

蓮が私に手を振る。

あれから一緒に登校する事はなくなった。

「うん」

私も蓮に手を振った。


―――――――――――――――――――――

「はうーっ、疲れたぁー」

4時間目が終り昼休み。

そういえば明日受験の結果帰ってくるんだっけなー。

やばっ、自信しかない。

とかプチナルシストみたいな事考えていたら…

「あいりーん!」

うおっと?

「はるにゃーん!」

はるにゃんとは。

石井春《いしいはる》という子。

私が蓮と気まずくて孤立してたら話しかけてくれた子。

前髪が邪魔なのか常にちょんまげにしてる不思議ちゃん。

「あいりんちょっと聞いてよー!先生に怒られたぁー!」

ちょんまげをぴょこぴょこさせながら飛び跳ねる。

「飛び跳ねないのー!どうした?」

「授業中に落書きしてて、さっき呼び出されて怒られたー!」

いやいやいや、ふっつーに怒られるでしょ。