シュン、という音と共に姿を現したのは


「ゲッ…悠里。」

俺の幼なじみの、木下悠里。

「何よ右京君。その顔。」


「いや…別に?」



顔を覗き込んでくる悠里を手で抑えながら、俺は顔を反らす。



コイツに逆らったら面倒だ




「悠里も言いに来たんだろ?始業式サボった事。」


「違うよ。だって右京に注意したって聞かないもの。」



…半分見捨てられてる俺


少し悲しいかもしれない


「じゃあ悠里は何の用だよ?」


「“時間”でしょ?どうせ寝てて忘れてると思ったから、呼びにきたの。」