麻里さんに渡されたのは、数枚の束ねられた紙。
俺はパラパラと捲った。
「私達はもう授業無いからね。
調べた結果、やっぱり“希望への道筋”に選ばれた人達は家に帰ってなかったわ。」
「…沙雪の予想通りか。」
つい数週間前
“希望への道筋”を調べていた沙雪が、犠牲者は故郷に帰っている可能性は低いと言った
学園から抜け出せる…それが“希望への道筋”
なのに、故郷には帰っていない
「どこかに連れ去られた、もしくは故郷以外の所への脱出を意味していたって事か?」
「その可能性もあるけど…沙雪にデータを取って貰って、故郷に連絡したのよ。
そうしたら、関係者から生徒の記憶が消されてたわ。」

