「はぁ…やっぱり、まだ在った。」 中庭に聳え立つ、デカい樹。 その裏側に彫られた、×印。 「これ、葉と誓った仲間の印なんだ。」 ーーー右京、これでお前は一人じゃない。俺達は、仲間だーーー 俺は印に手を触れる。 まだほんの少し前の事みたいに懐かしい… 「…?」 首を傾げる陸斗に、俺は落ちていた石を渡す。 「お前も彫れよ、陸斗。」