――プルルルルル 《まもなく列車が到着いたします。乗車券のご用意をお願い申しあげます》 白い駅のプラットホームに、アナウンスが流れる。 …いよいよだ。 悠里は大きく伸びをして、ベンチから立ち上がった。 しかし、天野は身動きひとつしない。 当然天野も立ち上がるものと思っていた悠里は、いつまでも座ったままの天野を見て首を傾げる。 「天野さん、何してんの。列車来るよ?」 「……うん」 天野は曖昧な返事をして笑う。 どこか様子がおかしかった。