そして、悠里の傍にはいつも 天野がいた。 「…天野さん、ありがとう」 悠里は天野に頭を下げた。 突然の礼に、天野は戸惑ったようだ。 「いやいや、礼には及びませんて」 慣れていないのか、恥ずかしそうに頭を掻いて見せる。 「いいや」 悠里は笑って首を振った。 「天野さんがいたから、俺は無事未練を解消できた」 それに、と言って悠里は天野の手を取る。 「天野さんがいなかったら、気づけなかった。人の強さも、伝えることの尊さも」 それは良かった、と天野は悠里の手を優しく握り返した。