「おめでとう、悠里くん!」
天野は悠里に笑いかけた。
「悠里くんの未練は解消されました。よって、君は正式に天国へ行くことができます」
悠里は、手の中の小さな切符を見つめた。
死んだことを受け入れることから、全てが始まった。
自分は死んだと理解して。未練があるからまだ天国には行けないということを知って。
未練を解消するために、自分の過去をもう一度振り返って。
自分の死後の未来を見て。
そして、文弥と絢音の新しい出発を見て。
この切符には、そんな悠里の密度の濃い時間がしっかりと刻み込まれている。
……夢のようで夢じゃない。
悠里が過ごした奇跡の2時間が、ここにある。
永遠に消えない、確かな輝きを放ちながら。


