「さーて、そうと決まったら」

絢音が落ち着くのをしばらく待って、悠里は絢音の手を引いた。

そのまま絢音は立ち上がったが、目に見えないものに引っ張られるのは実に変な感覚だろう。

「今から、文弥に告白しに行くぞ」

悠里が声高らかにそう言うと、絢音は顔を赤くした。

「え、い、今から?!」

「善は急げって言うだろ?グズグズしてると文弥が絵梨子にプロポーズするぞ!それでもいいのか!」

「や、駄目です!」

悠里に脅され、絢音は即答する。

……このやり方って、天野さんの強行手段のまんまだよな。

悠里は可笑しくなって笑った。