「……あたしに、そんな資格あるのかな」

絢音がぽつんと呟く。
悠里は涙を拭いながら、絢音を見た。

「自分に嘘ついて、文弥に嘘ついて、悠里を傷つけて……今さらって思わない?」

「思わない」

弱気な絢音を、悠里ははっきり否定した。
絢音の目の前に立って、絢音の肩を掴む。

「文弥は、彼女と別れたいって言ってた。お前がその先を遮っちゃったけど、文弥は絢音と一緒になりたい、って言いたかったんだと思う。……だから全然今さらじゃない。むしろ今からだ」

「文弥が本当にそう言おうとしてたかどうかはわかんないでしょ」

「わかるよ」

悠里は笑った。
自信がある。
必ずそうだと、言い切れる。

だって、俺達は


「ずっと一緒に居たからな」