俯く絢音が、小さく見えた。

ずっとずっとずっと、
こうしてひとりで悩んできた背中。
それが堪らなく、もどかしくて、切ない。


悠里は息を吸うと、思いっ切り絢音の背中を叩いた。
突然の衝撃に、絢音は飛び上がる。

「な、なに?!」

後ろを振り返る絢音に、悠里は声を上げた。


「それで、ずっと後悔して、文弥への気持ちを我慢して、それで俺に詫びたつもりか?!…ふざけんな!!」


悠里の怒鳴り声に、絢音は目を丸くする。