……ガタンガタン……


しばらくベンチに座ったまま呆然としていると、線路を列車が走って来るのが見えた。

白い列車は悠里の目の前で止まると、静かにドアを開けた。

悠里はその場から動かずに、列車の窓から中へと目を向ける。

誰も乗っていないようだ。


……これは、乗るべきなのか?

でも、どこ行きの列車かわからないし…


悠里がどうしようか迷っていると、待ちきれなかったように列車のドアが閉まり、そのまま列車は走り出してしまった。