「今から映し出される映像は、すべて現世で起こっていること。それを見て、悠里くんが自分で未練を解消するの」

…映像を見て、未練を解消する。

一旦現世に蘇って未練と真っ向向き合うのではないか、と内心ドキドキしていた悠里の想像とは全く似ても似つかぬ方法だが、
それでも、やってみないことには始まらない。

自分には術が無いのだから、天野のやり方に頼る他ないのだ。


悠里は覚悟を決め、無言で頷いた。

天野は悠里を見つめて優しく微笑むと、悠里の襟を離した。

「それじゃあ、いくよ」

そして、リモコンを線路側に向け直し、ボタンを――押した。