「…未練解消って、どうやるわけ?」

襟を掴まれたまま悠里が口を開くと、天野は待ってましたとばかりに笑顔になった。

悠里の目の前で、リモコンらしきものを軽く振ってみせる。

「これで、悠里くんの“未練”を空間に映し出しまーす!」

悠里はきょとんとしてリモコンを見つめる。

「……で、どうするの」

「ん?どうもしない。それだけ」

「それだけ?!」

悠里は素っ頓狂な声を上げた。
簡単すぎる「未練解消法」に拍子抜けである。