「…未練解消って…何」

天野の迫力に圧されつつ悠里が聞くと、天野は鼻息を荒くして悠里の襟を掴み、悠里を立ち上がらせた。

「“未練”があるから悠里くんは天国に行けない。裏を返せば、その“未練”を解消できれば君は天国に行けるってわけだ!違うか!!」

「…おっしゃる通りです」

「という訳で、今から悠里くんの未練解消の儀を行う!異論は?!」

「……ありません」

天野のあまりの迫力に、恐いのを通り越して悠里はドン引きである。

でも、とまだ質問を思いつくほど、自分が冷静さを保てていることに驚いてしまう。