「……どこだ、ここ」


真っ白な駅、だった。
おそらく駅のプラットホーム。

目の前には、線路が横に果てなく伸びている。

線路の向こうは草原になっていて、遠くに川も見えた。

澄んだ青空には、うっすらと白い雲が無数に漂っている。

広大な草原の中にぽつんとひとつだけ駅が建っているという、不思議な光景だった。


悠里の記憶の限りでは、こんな駅は知らないし、一度も来たことがない。

それ以前に、今日ここに来るまでの記憶がなかった。

少しの衝撃の後、ふと目を開くと、ここに立っていたのだ。