列車の窓から顔を出した悠里が、天野に向かって大きく手を振った。

天野も笑顔で手を振り返す。


……大丈夫。

悠里ならもう、大丈夫だ。


「いってらっしゃい、悠里くん」

ずっとずっと、列車が見えなくなるまで、天野は手を振り続けた。



友達を想い続けた人生。

そして最後に自分で夢を叶えてみせた。


ひとりの勇敢な少年の、

新たな物語の始まりだった。




*Fin*