涙が愛しさに変わるまで



幼稚園の頃、おやつの時間に隣の子が私のおやつを間違えて食べてしまった。

そのおやつがたまたま私の大好物だった。


『やぁだぁーーっ……。』

『うっさい、泣くな。』

しゃがみこんで泣く私の頭上から冷たい言葉が降ってきた。


『修!!』

『うるさいんだよ、亀真依。』

『だってぇ……。』


『これやる。』


しゃがみこむのと同時に私の手の内に大好物のおやつが乗った。



『いいん!?修いらんの!?』

『俺、それあんまり好きやないしな。』