モテ彼×ブキヨウ彼女



――ガチャッ


ごいんっ!!




「円香ぁ!
お茶持って来たわよん♪

……って、円香っ!?」



陽気な母親によって勢い良く開かれたドアが、あたしの頭にクリーンヒット。


「いったぁ〜……」


あたしは、頭を押さえながらズズズとその場へしゃがみこむ。


そして……



「円香っ!!」


慌ててあたしを抱き抱える神崎君と……


「ダメっ!
円香、死ぬのはまだ早いわ!」


……お茶を持ったまま、こんなおかしな発言をしだす母親。


その背後にちゃっかりと囲碁とゲームを持って待機している父親と弟の気配を感じながら……。




「もぉ……

邪魔……しな……いで」


痛みに耐えられずに、あたしはそのまま気を失ってしまった。


さっきリビングで感じていたモヤモヤした感情。


その正体が何かも、分からぬまま――……。